アルドール反応で生成するジアステレオマーを区別するためにどうするか

実際に行なったのでメモついでに。
 
正確にジアステレオマーを区別するためには、結晶構造をとる必要があるそうです。でも、まだ研究として完成とは言えない段階で、結晶化するのは手間がかかりますし、構造解析も大変なものです。そのため、理論に基づいて予測を立てて進めました。今回はその紹介です。
 
<Ireland モデル>
LDAを用いてプロトンを引き抜く際に、六員環遷移状態をとることを想定し、考えうる2つの遷移状態のうち、他方が1,3-ジアキシャル相互作用により不安定となることから、E体のエノラートが生成することを示しています。
 
詳しくはChem-Stationに記されています。
「炭素をつなげる王道反応:アルドール反応 (2) | Chem-Station (ケムステ)」
 
論文はこちらです。
J. Org. Chem. 1991, 56 (2), 650.
 
<Zimmerman-Traxler モデル>
エノラートの幾何異性に依存して、C-C結合を形成する際にとる六員環遷移状態が決定され、おのずと立体選択性が生まれることを示しています。
 
詳しくはChem-Stationに記されています。
「交差アルドール反応 Cross Aldol Reaction | Chem-Station (ケムステ)」
 
論文はこちらです。
J. Am. Chem. Soc. 1957, 79, 1920.
 
以上の結果を踏まえると……
TLCでスポットがより濃くなった方、ないしカラムクロマトグラフィーによる精製の結果、より多く得られた方anti-aldolとして考えることにしました。私の場合はTLCと収率の双方で確認が取れましたので、安心しています。
 
こんな感じで化学についてちょっとした小ネタを呟いていくつもりです。そのためにもどんどん知識入れしないといけないですね、がんばります。